BUFFALO AirStationの法人向けラインナップ「BUFFALO AirStation Pro」を利用して拠点間通信(WDS接続)させるべく、外部アンテナを利用したときに、気づいたことをメモしていくページ。
目次
AirStation Pro本体
とりあえず外部アンテナに対応するメインストリーム(と勝手に思っている)だけメモ。
- 「外部アンテナ」には一部の機種(全てのAirStation Proではない)が対応し、指向性・無指向性・漏洩同軸などを接続できる。
- 「IEEE 802.11a(5GHz帯)」の方がIEEE 802.11g(2.4GHz帯)よりも電波が混み合っていない傾向があるが、11aのうちW52(5.2GHz: ch36-46), W53(5.3GHz: ch52-64)は屋内専用、W53, W56(5.6GHz: ch100-144)はDFS(レーダー波回避)が必須のため、制約が多い。また、11aは11gに比べて利用する周波数が高いため、到達距離が非常に短くなる傾向がある。
- いわゆる11anは11aに11nを適用、いわゆる11gnは11gに11nを適用し、帯域を束ねて利用(チャネルボンディング)したり、MIMO(複数アンテナ多重送受信)に対応させて高速化したもの。
- 「802.11ac」(いわゆるWi-Fi 5)はWAPM-1166D以降で対応している。対応PC・スマホはまだ多くないが、拠点間通信で同型機種同士に通信させるなら速度向上に大きなメリットがある。11aの帯域を最低でも4チャンネル(80MHz)束ねて利用(チャネルボンディング)し、速度を向上させたもの。
- 「802.11ax」(いわゆるWi-Fi 6)もあるが、2020年現在ではまだ時代が追いついていないと思う。
- ここで取り上げているAirStation Proは全て「PoE」 (Power on Ethernet)対応で、ACアダプタ不要。なお、オプションでACアダプタを購入可能なので、メンテナンスや設定用で1個持っておくと便利。
- 「WDS接続」(リピーター機能)はいわゆる拠点間通信機能だが、AirStation Pro同士でもWDS接続方式が異なるので、型番を揃えた方が良い。
- 「DFS障害回避機能」はWAPM-1266R以降に搭載され、W53, W56チャンネルの航空レーダー波や気象レーダー波を利用中のチャンネル以外でも常時監視する機能があり、利用中のチャンネルで検知すると即時に他チャンネルへ移行できる。レーダー検出には1分間必要なため、従来の機種では約1分間通信が停止する。
- WAPM-APG300N以降は11an, 11gn同時利用が可能になったが、実際に同時利用するとループする。そのため、Rapid STP(スパニングツリー)機能が実装されており、設定する必要がある。
型番 | 対応通信方式 | 外部アンテナ必要台数 | WDS接続方式 | DFS障害回避機能 |
WAPM-AG300N | 11an/11gn排他利用 ※11a/11gどちらかしか出力できない |
対向1組2台 | 独自A | なし |
WAPM-APG300N ※AG300Nのアンテナ4本にして11a/11g同時利用できるようにしたもの |
11an/11gn同時利用 | 対向2組4台 ※11a:2本 11g:2本 |
独自A | なし |
WAPM-1166D ※APG300Nを混波してアンテナを減らしたもの |
11ac/11gn同時利用 | 対向1組2台 ※11a/11g混波 |
独自B ※Reverse Direction Grant無効+VLAN Taggedに設定すると独自Dになる。 |
なし |
WAPM-1266R ※1166Dに11aレーダー波検知機能を搭載したもの |
11ac/11gn同時利用 | 対向1組2台 | 独自D | あり |
外部アンテナ
全てAirStation Pro 1台に対して変換コネクタ WLE-OP-RNCと同軸ケーブル WLE-CCシリーズが2本ずつ必要。
- WLE-HDG-DA/AG 屋外用指向性(11a/11g 水平偏波・垂直偏波)
1本必要(アンテナ2本内蔵) - WLE-HG-NDC 屋外用無指向性(11g)
2本必要 - WLE-HG-NDC/A 屋外用無指向性(11a)
2本必要
同軸ケーブル
AirStation本体とアンテナを接続する。
互換品も販売されているが、5GHz帯で出力が弱くなったり、電波法違反の出力になったりするため、メーカーは禁止している。(オプション対応表の屋外タイプの説明文)
壁面取り付けの金具はメーカーオプションでも揃えているが、自前で用意するならテレビアンテナマスト用の金具や、配管用の金具をホームセンターで調達することができる。
WLE-CCシリーズ
仕様
- WLE-CC(nn)
- nnの数字はケーブル長(m)を表す。
- WLE-CC5 5m
- WLE-CC10 10m ※yodobashi.com ¥14,070.(税込 2020/08)
- WLE-CC20 20m
- WLE-CC30 30m 販売終了
- 機種と長さの組み合わせによって電波出力が強くなりすぎて電波法違反になる。
メーカーサイトに書かれていない仕様(製品同梱の仕様書)
- 使用ケーブル 5D-FD(PE・低損失タイプ)
- 購入したケーブルには「SHIKOKU SN-5D-HFBE」と刻印があった。
- コネクタ形状 N-P型
- AirStation本体側はRSMAオス型
- 絶縁抵抗 1000MΩ以上(DC500V)
- VSWR 1.25以下(2.4~2.5GHz)
- 内部導体抵抗 54mΩ以下(WLE-CC5), 101mΩ以下(WLE-CC10), 196mΩ以下(WLE-CC20), 290mΩ以下(WLE-CC30)
- 挿入損失 2.14dB以下(WLE-CC5), 4.07dB以下(WLE-CC10), 7.93dB以下(WLE-CC20), 11.79dB以下(WLE-CC30)
- インピーダンス 50±2Ω
- 最小曲げ半径 R54mm(静止時), R77mm(稼働時)
- 適応締め付けトルク 68~113N・cm(7~12kgf・cm)
WLE-OP-RNC
RSMAオス(AirStation Pro側)をRF(N-P型)コネクタ(WLE-CCシリーズ)に変換する。
1箱1個入り。
- yodobashi.com ¥898. (税込 2019/11)
PoE給電機器
好きな場所に設置したいが、そこにACアダプタとコンセントや延長コードを這わせるのはダサいと思ったのでPoEを使ってみたら、快適すぎてタマラン。
- BIJ-POE-4P/HG 4ポートインジェクタ
- BIJ-POE-1P/HG 1ポートインジェクタ
とりあえず後ろに「/HG」と付くモデルなら大抵のAirStation Proは対応する。1ポート30W、4ポート合計120Wまで対応。
PoEに関するメモ
- PoEは、802.3afに規定されている。
- PoEは、48V(47-55V)をLANケーブルに印加して電力を搬送する仕組み。給電側機器(PSE)にはオルタナティブA(TypeA)とオルタナティブB(TypeB)の2つの給電方式があるが、802.3af受電製品はどちらでも対応するようになっている。
- PoEインジェクタは、スイッチ・HUBと機器の間を中継して給電する機器。
- PoEの活線挿抜(電源を投入したままの抜き差し)は火花が飛ぶ場合がある。そもそもイーサネット(LAN)の規定で活線挿抜を推奨していない。
- 屋外でPoEを利用して落雷やサージ電流を受けると、壊れやすい。保護回路はほぼ搭載されていない。特にアースは重要である。
- 802.3afでは1ポート12.95Wまで、上位規格の802.3at(PoE+)では1ポート25.5Wまで対応する。LANケーブルはCat5e以上に対応する。
- PoE対応スイッチを利用して給電機能を集約しても良いが、故障時、対応台数、メーカー互換を考えたらインジェクタの方が気が楽だと思う。
その他のメモ
- 無線LANのアンテナが2本あるときは、互いに90°取ると良いらしい。アンテナ2本が成す角度の中間の角度に向けて電波が飛びやすいらしい。