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なにこれ?
銀行や旅行代理店などのサービスカウンターにある「整理券を取って、○番のお客様~」という整理券発行機をパソコンでなんとか作ってしまおうというシステムです。別途レシートプリンタが必要ですし、音声は出ません。
副次的な産物として、平均待ち時間やキャンセル者待ち時間などの統計機能もあります。
また、預金・振込・融資など、レーンを分ける機能もありますが、タッチパネル機能のあるディスプレイを使用すればなんとか運用できると思います。
仕事で使うことになり、職場環境の都合上Microsoft Accessで構築しましたが、ランタイムをインストールすればAccessの無い環境でも動作することが可能です。
ライセンス・免責事項
あくまでも間に合わせで作ったシステムなので、無償提供とします。よって、クリティカルな業務に利用して何らかの損害があっても責任を負うことはできませんし、サポートを行うこともしません。
できればレストランの順番待ちリストを非常用として用意しておいた方が良いかもしれません。
動作要件
以下の条件をすべて満たす機器が必要です。
- Microsoft Windows 7以降のOSが動作する
- Microsoft Access 2010以降またはMicrosoft Access 2013 Runtimeが動作する
- Access 2010以降をインストールしていない場合は、Accessランタイムをインストールして動作させることはできますが、フォームやレポートの編集はできません。
- 「通常使うプリンター」に設定できるレシートプリンターまたはプリンター
- レシートプリンターの場合は80mmまたは56mmのレシート紙、プリンターの場合はA5用紙を印刷できる
- 動作確認機種
EPSON TM-T88V (TM885UD481 USBモデル) 80mmレシート - Accessのレポートを編集すれば用紙サイズはこの限りではありません
- 動作確認機種
ダウンロード
- 整理券発行.accdb [ZIP]
- Microsoft Access 2013 Runtime(マイクロソフト)
つかいかた
インストール
Microsoft Access 2010以降またはMicrosoft Access 2013 Runtimeを使用できるようにする
レシートプリンターを利用できるようにする
整理券発行処理.accdbを適当な場所に設置する
整理券発行処理.accdbを開く
- セキュリティの警告が表示された場合は、ダウンロードした整理券発行処理の安全性に十分注意して[コンテンツの有効化]をクリックする
レシートの設定とテストを行う(後述)
準備:レシートの設定とテスト
「業務メニュー」の「レシートサイズ」で対応するレシートサイズを選択する。
- 発行レシート80 = 80mmレシートプリンター用
- 発行レシート56 = 56mmレシートプリンター用
- 発行レシートA5 = A5ヨコプリンター用
[レシートテスト]をクリックして正常にテストレシートが発行されるか確認する。
準備: キューマスタの設定
このシステムでは整理券の発行状況を「キュー」と呼び、用件名や整理番号の開始・終了の情報を「キューマスタ」と呼んでいます。
業務メニューから「キューマスタ」をクリックして、「キューマスターF」を開く。
画面下部に現在設定されているキューマスタが表示されています。
キュー名が用件名、キュー開始が整理番号の開始、リミットは受付可能人数、キュー終了は整理番号の終了を表します。
現在設定されているキューの内容を変更するには、画面下部の一覧表示から当該のキューを選択し、画面上部の編集画面で変更、[キュー更新]ボタンをクリックして[キューリセット]をクリックする。
キューリセットを行うと、すでに発行された整理券情報をすべて削除します。
また、リセットには数分かかることがあります。
キュー更新を行っただけでは設定は完了しません。必ずキューリセットも併せて行ってください。
新たなキューマスタを設定するには、一覧表示最終行の空欄行を選択し、同様に編集を行います。
既存のキューマスタを削除するには、一覧表示から当該のキューを選択し、キュー削除をクリックします。
キューマスタの設定を終えたら、[閉じる]ボタンをクリックして、業務メニューに戻ってください。
整理券発行
来客対応時はこの画面を表示しておきます。
Accessのリボンやナビゲーションウィンドウは最小化して隠す、キーボードに[Enter]のみ露出する簡易的なカバーを作る、マウスを隠すなど、誤操作を防ぐように工夫すると良いでしょう。
業務メニューの[発行]をクリックする。
テストを行うためにレシートを印刷しない場合は、業務メニューの「発行時に自動的に印刷しない」にチェックを入れると、印刷プレビューになります。
[→]ボタンをクリックして整理券を発行する。
キューが1つのみの場合は[Enter]キーでも発行できます。
キーボードに[Enter]のみ露出する簡易的なカバーを作ると、来客の誤操作を防ぐことができます。
呼び出し・キャンセル・取り消し
呼出・状況確認画面は、呼出待ちの来客の状況を確認するための画面です。
発行画面の[管理用]ボタンをクリックし、呼出・状況確認を表示する。
呼び出したい整理券番号の[呼出]ボタンをクリックする。
整理券発行画面へ戻るには、[戻る]ボタンをクリックします。
呼び出したがいなかった来客は「キャンセル時間」に日時が表示されている整理番号です。
画面下部のフィルタで表示する条件を切り替えることができます。
発行した整理券を取り消すには、取り消す整理番号の[取消]ボタンをクリックします。
呼び出し画面で呼び出し待ちの来客を呼び出す。
呼び出した来客の接客を開始する場合は、[案内開始]をクリックする。
[案内開始]をクリックすると、その整理番号は呼出・状況確認画面で表示されなくなります。
呼び出した来客がいなかった場合は、[キャンセル扱い]ボタンをクリックする。
[キャンセル扱い]をクリックすると、呼出・状況確認画面ではキャンセル日時が表示され、そのまま表示されたままになります。
頃合いを見て再度呼び出し、いた場合は、通常通り[案内開始]をクリックします。
再度呼び出してもいなかった場合は、同様に[キャンセル扱い]をクリックして、他の来客を呼び出します。
統計出力
来客者数、平均待ち時間、キャンセル人数、キャンセル平均時間を出力することができます。
業務メニューの[統計]をクリックする。
印刷する場合は[Ctrl]+[P]を押し、印刷画面を開いて、印刷を行う。
統計出力は56mmレシートに合わせているので、そのまま印刷して記録として保管できるようになっています。
FAQ
よくある質問
Q. 業務開始時に整理券の番号をキュー開始番号へ戻したい。
キューマスタでキューリセットを行ってください。
Q. キャンセル扱いボタンと取消ボタンの違いがよくわからない。
キャンセル扱いは、キャンセル人数(=「来客が帰ってしまった」状況)として統計に反映されます。
取消は、その整理券の発行を取り消して来客人数のカウントに入れないように処理されます。
Q. キャンセル扱いをした来客を再度呼び出してもいなかった場合はどうすればいいのか。
再度キャンセル扱いを行ってください。
なお、キャンセル日時には最初にキャンセル扱いを行った日時が記録され、以後は何回キャンセル扱いを行っても1回目の日時が保持されます。